日本にもモスクの雰囲気を体感できる場所が!?

写真は、トルコのブルーモスクです。正式には、スルタン=アフメト=ジャーミィといいます。このモスクは、オスマン帝国の第14代国王であったアフメト1世によって1616年に建造されました。「世界で最も美しいモスク」と呼ばれることがあるモスクで、内部のブルーを基調としたタイルの壁や天井は、見る人を魅了します。
「ジャーミィ」とは金曜日に集団礼拝をおこなう大きなモスクを指します。丸い屋根、尖塔(ミナレット)の特徴を持つジャーミィ(モスク)はイスラム教徒の礼拝の場となっています。
今回は、イスタンブールのモスクと日本のモスクについて書いてみたいと思います。
イスタンブールのモスク
イスタンブールには、有名なモスクがいくつかあります。世界遺産に含まれるモスクのうち有名な3つをご紹介します。

まずは、「世界で最も美しい」と称されるブルーモスクの秘密!
ブルーモスクは、6本の尖塔(ミナレット)を持つモスクです。これは、世界中のモスクの中でも大変めずらしいもので、建設時に国王が「アルトゥン(黄金)の尖塔をつくりなさい」と言ったのを「アルトゥ(6本)」と聞き違え6本になったという説があります。6本以上のモスクは、イスラム教のカーバー神殿のあるモスクだけともいわれ、尖塔の本数は権威の現れともいわれています。


アヤソフィア大聖堂は、キリスト教?イスラム教?どちらの礼拝堂?
アヤソフィア大聖堂は、537年に建てられた由緒ある聖堂です。実は、建てられたときはキリスト教の式典が行われる場でしたが、1453年にコンスタンティノープル(現イスタンブール)がイスラム教の国であるオスマン帝国に支配されるようになってからは尖塔が作られモスクとして利用されるようになりました。1935年から博物館として公開されたのち、2020年再びモスクとして利用されるようになりました。
1453年にモスクとなったとき、壁のキリスト教の聖母子像などは漆喰で消されたようです。しかし、博物館となったときに修繕されキリスト教の壁画はよみがえっていました。現在は、またモスクになったため、キリスト教の壁画等は布やカーテンで隠されているようです。アヤソフィア大聖堂には時代の変遷を感じずにはいれない建造物となりました。


もう一つ、スレイマニエ・モスクをご紹介します!
1557年完成した、オスマン帝国最盛期のときに建造されたモスクです。歴史好きな人はご存じの「スレイマン1世」の命により建てられ、オスマン建築の最高傑作ともいわれています。建造を指揮したのは、天才建築家といわれるミマール・スィナンであり、大ドーム、尖塔はもちろん神学校や救済院、霊廟、寺子屋、病院、隊商のための宿などを備えた一大施設として繁栄しました。
大ドームの礼拝所は、130を超える窓が設けられ、どの時間でもやわらかな光が差し込む神秘的な空間となっています。隣接する霊廟には、スレイマン1世の廟もあり、厳かな雰囲気となっています。

ブルーモスクは有名ですが観光客も多く、にぎやかな雰囲気となっています。落ち着いてモスクの雰囲気を味わいたいなら「スレイマニエ・モスク」もおすすめです。小高い丘から町の様子、海なども見え素敵な時間を味わうことができます。
日本には、モスクはあるの?
日本にもモスクはいくつかありますが、特に有名な2つのモスクをご紹介します。
1つ目は、東京にある「東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター」と呼ばれるモスクです。トルコ文化発信の地としての役割もあるため、訪問者を受け入れてくれています。

内部の厳か雰囲気など異国の地を感じることができる場所となっています。神聖な礼拝の場ですので、礼拝者の邪魔にならないように見学のルールをしっかり確認してから伺ってくださいね。
2つ目は、兵庫県にある日本最古のモスクといわれる「神戸ムスリムモスク」です。こちらのモスクも多文化共生をめざし、見学者の訪問を受け入れてくれます。
1935年に建造され、第二次世界大戦や神戸淡路大震災にも大きな被害がなく「ミラクルモスク」とも言われています。

多文化共生を掲げ、訪問者を受け入れているモスクですが、信者の方に迷惑がかからないように、ルールを守った見学をしましょう。